整備士を目指したのは父の一言がきっかけ。進路を決める高校3年生の時は、看護師をしている家族がいた影響もあり、看護師を目指していました。でも看護学校を受験しに行って、「あ、向いていないな」と感じてしまったんです。そんな時に、父が何気なく言ったのが、「クルマが好きなら整備士はどう?」という一言でした。
父は私が小さい頃からクルマ好き。私は父と一緒にドライブするのが大好きでしたし、父の影響で自分もすっかりクルマ好きになっていたので、それを聞いて「好きなクルマに触れられる仕事ならいいな」と思い、整備士の学校を目指すことを決めました。父はほんの思いつきで言ったようで、まさか本当に私が整備士を目指すとは思いもしなかったらしく、「え!本気で言ってるの?」と驚いていました。
父はいろいろなメーカーのクルマに乗ってきましたが、私が高校生の頃に乗っていたのがSUBARUのレガシィB4でした。マフラーが付け換えてあって、良いエンジン音でした。家でそのエンジン音が聞こえると、父が帰ってきたんだなとわかりました。その当時は、父のクルマに乗せてもらって出かけることも多くて、それもとても楽しい思い出です。
そうした父の影響もあり、一番好きな自動車メーカーはSUBARU。なので、入社するならSUBARUとずっと決めていました。女性の整備士は軽自動車をメインに取り扱うメーカーに就職する人が多く、父にも他のメーカーを勧められましたが、私はSUBARUで乗用車を整備したいと強く思っていました。もちろん、軽自動車より大きなクルマを整備するのは楽ではありませんが、そこで挑戦したいという気持ちが強かったです。
お客様の命を乗せるクルマを整備する仕事なので、正確さと丁寧さは絶対に身につけなくてはならないものです。そのために、クルマを知ること、そして自分の技術を高めることを日々意識して取り組んでいます。会社での実技の研修もありますし、時間がある時は先輩方の作業を見学するのもとても勉強になります。先輩方も、珍しいケースがあると呼んでくれて「こういうケースではこういう整備をするんだよ」と、実際にやって見せてくれることもあります。
入社前は、メカニックはひたすら整備や点検を黙々とするのだろうなとイメージしていましたが、実際に働いてみると、同僚と相談しながら仕事を進めたり、時にはお客様と接したりすることもあり、意外とコミュニケーションをとる機会も多いと感じます。
女性メカニックはまだまだ少なく、私の勤める店舗でも1人ですが、他店で働いている女性メカニックや、他社に就職した自動車整備学校時代の同級生と時々会ってはいろいろな会話をすることは「負けていられないぞ!」と刺激になっています。
父との思い出もあり、元々SUBARUで働きたいと思っていましたが、自動車整備学校の時に何度か現場の見学をさせてもらって、その思いはさらに強くなっていました。でもSUBARUは倍率が高く、先生方から「難しいかもしれない」とも言われていました。なので、内定をもらえた時は本当に嬉しくて、泣きました。それから、入社式で社長に名前を呼ばれた時も、「本当にこれでSUBARUの一員になったんだ」と感慨深く、込み上げてくるものがあったのを覚えています。
働く中で大切にしているのは「初心」を忘れないということです。SUBARUで働きたいという憧れの気持ち、念願叶ってSUBARUから内定をもらった時の嬉しさ、入社式で感じた誇り。仕事で落ち込んだ時は、そういう気持ちを思い出してみると、また頑張ろうと思えます。
もう一つ、励みになるのはお客様の姿です。整備や点検によって不安が取り除けて、安心した表情、喜んでいる様子を拝見すると、この仕事をやっていてよかったなと思います。時々、点検を終えたクルマをお客様にお返しする際に、「ありがとう。これでまた安心して乗れます」と直接、言っていただけることもあります。自分が整備や点検をしたことによって、お客様に安心感を与えられたんだなと実感でき、嬉しくなります。
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出社。1日の予定を確認し、メールをチェック。
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全体朝礼、サービスミーティングに参加。その後、工場清掃。
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開店。点検作業を開始する。
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仲間と雑談しながらランチ。当番の日は電話番をしながら食事をすることも。
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点検作業、一般整備作業を行なう。
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車検作業を行なう。
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工場や駐車場を片付け、翌日の準備をする。伝票処理や整理整頓を行ない、終業。