小さい頃からメカニックを目指していたわけではありません。ただただクルマが好きな子どもで、その気持ちだけはずっと消えることがありませんでした。だから、具体的になりたい職業は浮かんでいなかったものの、中学生の頃には「クルマ関係の仕事に就きたい」という思いを持つようになっていました。
メカニックを目指そうと具体的に考え始めたのは自動車専門学校でクルマについて勉強してから。その頃、SUBARU車に初めて乗ることがあり、実家のクルマとの運動性能の違いに感動したんです。その記憶もあり、専門学校の終わりに、どのメーカーを目指すかを決める時に、SUBARUを受けることにしました。
免許取りたての頃、友人のお父さんのクルマを借りる機会がありました。そのクルマがたまたま2代目レガシィでした。実家の他社製のクルマとは全然違うと思ったのを覚えています。たとえば、高速道路でスムーズに合流できる加速性能や、カーブで思い通りのラインを描いて曲がれるライントレース性能の高さ。乗り心地こそ実家のクルマの方が良かったですが、特に運動性能はレガシィの方が格段に良いと感じました。専門学校で勉強して、クルマについて、より詳しくなっていたので、実家のクルマとの違いやSUBARU車の運動性能の高さはより深く印象に残りました。
その後も何度かそのレガシィを借りる機会があり、地元の川崎から新潟の友人のところまで行ったこともあります。冬だったので雪道でしたが、そこはやはりシンメトリカルAWDのSUBARU車、安心して走ることができました。
SUBARUには、その技術を認定する「STARS」という資格制度があります。メカニックの場合は、4級から始まり、1級、S級という5段階の資格になっています。私自身、級にだけこだわってきた訳ではありませんがやはり3級よりは2級、2級よりは1級の方が、同僚の信頼も増しますし、より説得力のある発言ができるのではないかと思っています。
私は入社2年目に4級、3年目に3級を取得しましたが、そこでは一発合格、ところが4年目に2級を受験した時に初めて落ちてしまったのです。
2級の二次試験は実技試験で、お客様役の人からクルマの状態を伺い、その情報を元にクルマの修理をするというもの。初めて挑戦する実技試験の空気にすっかり飲まれてしまって、完全に緊張してしまっていたのでしょう。やるべき設定をひとつしないままに作業をしてしまったのです。それでも試験のあとは「完璧にできた!」と思っていたのですが、結果は不合格。これは、15年の自分のキャリアを振り返っても一番悔しいこととして記憶に残っています。翌年、再受験し、無事合格できたのですが、これもその後に1級に合格した時よりも嬉しかった記憶です。今後は、S級の取得も目指しつつ、やはり同僚にもお客様にも、もっと信頼され頼ってもらえるメカニックになっていきたいと思っています。
入社当時、メカニックに必要なスキルは技術や知識だと思っていましたが、年数を重ねるごとに、メカニックにとってもコミュニケーションが大事なスキルだと思うようになりました。
現在の店舗は入社して3つ目の勤務先で、配属されて6年になります。今の店舗に異動してきた時、とても静かだなと感じました。前の店舗はとても賑やかでスタッフ同士のコミュニケーションも活発だったのですが、何だかみんな黙々と仕事をして、静かに休憩時間を過ごして、また仕事をして帰るといった感じに見えました。私は、できればその空気を変えたいなと思いました。その気持ちに賛同してくれる人もいたので、一緒に、最初は昼休みに、周囲の人に話しかけることなど小さなことから始めました。
普段から会話があるかないかで仕事のやりやすさは全然違ってきます。一緒に仕事する仲間同士は、友達や家族のように距離が近くなりすぎても甘えが出てしまい良くありませんが、遠すぎても良くないと思います。何かあったら、相談したり、頼ったりできる程度には距離が縮まっていないと、いざという時にうまくサポートできません。特に若いスタッフにとっては、彼らから話しかけやすい、何でも相談しやすい空気を作ることが大事だと思っています。私自身、悩んだり迷ったりしたら、誰か1人ではなく、周囲のいろいろな人の意見を聞くようにしています。10年以上働いてきて、活気のある職場づくりや、社員同士のコミュニケーションを考えることが、自分に求められる立場になってきたのだと実感しています。
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出社し、清掃を行なう。スタッフみんなで体操をしてから朝礼。
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開店。整備予約の入っていたお客様をお出迎えし、作業にとりかかる。
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雑談しながら楽しくランチ。後輩から相談を受けることも。
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点検作業、一般整備作業を行なう。
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15分間の休憩。
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車検作業を行なう。
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終礼。この時に残業の要不要を判断する。その後、翌営業日の作業を分担する。
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片付けをして、退社。